およそ10年以上経っている車に限った話ではありますが、
エンジンからほのかに甘い香りがする場合があります。
砂糖菓子みたいな、キャンディーみたいな、あま~い あまったる~い匂いの時です
それは、一体何か?
LLCと呼ばれる液体が、蒸発もしくは漏れています。
ロングライフクーラント(以下、LongLifeCoolant LLCも使用)と呼ばれるエンジンを
冷やすための冷却水です。
過走行車、高年式車両には要注意!
高年式、過走行といった、10年以上経過した車両また、10万キロ以上走った車というのは、
あちこちガタが来ているものです。
大体、車が壊れ始めるといわれているのが、この境を超えたあたりからになります。
普段から冷却水等の水量チェックなどしましょう
もちろん車検時に、いろいろな交換部品を変えられている場合は除きますが、
ベルト交換やオイル交換、ブーツ交換がメインだと思います。
今回の甘い香りが発生するラインはウォーターラインです。
冷却系統ですね。
その中でも今回注意するべきところが、ラジエターです
もちろん、それ以外の冷却系統も漏れの要因としてはあり得ます
ラジエターホース接合部やラジエーターキャップ、サーモスタット、アッパーローワーホース・ガスケットパッキンなどなどです。
日常点検ってされていますか?
ボンネットをあけて見るあれです。
免許を取った際に、講義を受けた方も多いかもしれませんが
今回事象が多いラジエターについてですが
JAFがわかりやすく紹介してくださっていますので
良かったら、見てみてください。
ラジエター(radiator)
大衆車はラジエターは上下の組付け部分がプラスチックでできているものが多いのです
プラスチックは熱に弱く、変形しやすい
エンジンの冷却水は常温20度から始動後暖機時に80度くらいまで温度が上がります。
プラスチック自体も熱の収縮や紫外線や風雨にさらされることで、痛みやすくなります。
普通に経年劣化による通常摩耗と呼ばれるものです。
交換時期だよってことですね。
よって、長期の暴露によって、亀裂が走って割れることがあります。
SDSのデータシートでも確認してもかなり危ない薬品である
三協化学株式会社 SDS エチレングリコール 安全データシート(SDS)
トヨタ純正スーパーロングライフクーラント 製品安全データーシート
https://toyota.jp/pages/contents/after_service/car_care/yohin/sds/pdf/LLC/08889-01108.pdf
ショーワロングライフクーラント ショーワロングライフクーラント JIS グリーン
https://www.kknsp.jp/wp-content/uploads/2018/07/SDSshowalooglifecoolantJISgreen1760-10GHS.pdf
におい:かすかな甘味
主原料(エチレングリコール)の中毒症状としては、次のような症状が発現する。
摂取後 30 分~12 時間 :中枢神経系及び代謝系の障害。エタノールの酩酊状態に似た症状。
痙攣、昏睡、脳浮腫、代謝性アシドーシス、低カルシウム血症、
蛋白尿が現れる。重篤な症状の場合には結晶尿がみられる。
摂取後 12 時間~36 時間:頻呼吸、チアノーゼ、肺水腫、心臓肥大。
摂取後 36 時間~72 時間:腎不全の兆候、慢性吸入の場合、意識障害、眼振、リンパ球増加症。
https://toyota.jp/pages/contents/after_service/car_care/yohin/sds/pdf/LLC/08889-01108.pdf
腎不全になって、重大なことになるようですね。
そもそもなぜ、LLCを使うの?
そんな危ないもの使わないで⇒使わないと現代の車は走らない
LLCは不凍液と呼ばれ、凝固点が約-50℃となっており、寒い場所では凍らないようになっています。
もし、水を冷却水として使った場合は、冬場に水が固まって、膨張しエンジンブロックを割ってしまう可能性があります。
そうなると、エンジンが一発で壊れます。
そのため、LLCを使います。
技術の進歩ということです。
動物にも危ないLLC
このLLC、エチレングリコールは動物たちにとってはあぶないのです。
僕も、ペットを飼っていますので、
拾い食いや拾い舐めしそうになるのを見て、心配だと思うのですが、
言葉で伝えれないのが残念です。
やめてくれ~と
いつも叫びます。心で
動物たちは甘いにおいに誘惑され、ペロリしてしまう
このLLCの甘味臭で寄ってきたねこちゃんなどは誤って舐めてしまうそうです。
そうなると1.56g/kgが動物の致死量のようで、おそろしい話ですが、
人でも111gほどで危険な状態になるようです。
死因は急性の中枢神経系の機能不全及び腎臓障害となります。
その1/10くらいの体重の猫ちゃんやわんちゃんがペロリとしたらと思うと恐ろしいです。
ウォッカを投与することで、危機一髪できた猫ちゃんがいた
誤って不凍液の中に使ってしまった子猫がいたそう
そして、動物病院へ行ったときに、医者がウォッカを点滴として投与。
2日かけてボトルの半分ほど投与したらしい。
そのおかげで命に別状はなく生き延びたらしい。
ウォッカに含まれるアルコールがエチレングリコールを分解したとのこと
万が一、こぼしてしまったり、クーラント漏れを見つけたら、必ずふき取りましょうということです。
自分の周りの子たちは自分が守る
それが飼い主の務めです。
技術は正しく使えば、便利なもの
クーラントは今やなくてはならない技術
自動車やパソコン(水冷)などありとあらゆるものに使われています。
技術は、人間にとっても動物にとっても便利なものです。
一応クーラントは危険なものなので誤って舐めたり、飲まないように着色していますので、
ぱっと見で危険なものだとわかるようになっています。
心配なら整備工場に相談
もしご自身の車から甘いにおいやいつも止めている駐車場の地べたに水滴のあとがあったら
それは、何かが漏れているかもしれません。
クーラーの水は違いますよ
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